青春18きっぷって何?
『粋』78号の特集は「旅しよっ!」。JRの普通・快速列車が1人あたり2,410円/日で乗り放題の「青春18きっぷ」、旅情をかきたてられる「夜行フェリー」など、お得に旅行するためのTipsを一挙ご紹介!今回は、この「青春18きっぷ」を利用していける旅行の行き先について、所要時間別に一気に紹介します。なお、主なルールは本誌や以下の表をご覧ください。
価格 | 12,050円(5回・人分) 1回・人あたり2,410円 |
有効期間 | 1日(0時~24時・ただし東京・大阪付近の一部区間は終電まで)。春休み・夏休み・冬休みの時期にだけ発売される。 |
使用方法 | 最初に乗るとき駅係員にハンコを押してもらいましょう。以降、乗車・下車の際は友人改札を通過。 |
有効な列車 | 普通・快速列車。指定席は別に指定券が必要(観光列車・首都圏の列車に連結されます) |
特急に乗った場合 | 特急券と乗車券が必要です(要するに「18きっぷ」は特急列車には無効)。ただし、全国で4区間だけこの規則の例外があります。 |
価格の条件から、日帰りで単純往復の場合は81km以上、往復の場合は片道の場合は161km以上の乗車の場合に元を取ることができます(※いずれも学割乗車券、幹線の賃率で計算。詳細は省略。)
では、具体的にどんなところに行けばいいでしょうか。所要時間ごとにまとめておきましたので、ぜひご覧ください。
片道2時間
京都
東海3県の出身の方なら、小学校の修学旅行で訪れたであろう京都。千年の古都には、世界に誇るべき寺社仏閣がたくさん。金閣・銀閣・清水…… 思い出の場所へもう一度行ってみませんか?
なお、京都市内の観光地に移動するときも青春18きっぷは使えます。京都駅から「嵯峨野線」に乗れば二条城、太秦映画村、嵐山に、「奈良線」に乗れば東福寺、伏見稲荷大社、宇治にも足を延ばせます。
アクセス:名古屋~東海道線~米原~琵琶湖線~京都
伊賀上野・南山城
かつての東海道の宿場町の面影を残す関宿。伊賀忍者のふるさと・伊賀上野。抹茶の産地・南山城。すべて関西本線でめぐることができます。江戸時代の旅人や忍者を体験してみませんか。
関駅、月ヶ瀬口駅のすぐそばの道の駅には「抹茶ソフト」、伊賀上野では「堅焼き煎餅」など、美味しいものもたくさんありますよ。
アクセス:名古屋〜関西本線〜亀山〜関西本線〜関・伊賀上野・月ヶ瀬口
伊賀上野〜伊賀鉄道〜上野市
浜松
名古屋から東に2時間、浜名湖を越えたらすぐに浜松に着きます。静岡県が誇る「さわやか」を食べてみたり、海岸砂丘・中田島砂丘でくつろいだり、城跡に游んだり。過ごし方も様々です。
片道3時間
大阪・USJ
西日本最大の都市・大阪。USJを丸1日満喫するもよし、道頓堀や通天閣など、マスコミ的な「大阪」に行ってみるのもよし。中之島や大阪城、あべのハルカスを訪ねてみるのもいいでしょう。もちろん、阪神タイガースの批判と串カツの二度漬けはやめましょう。
アクセス:名古屋~東海道線~米原~琵琶湖線・JR京都線~大阪
大阪~大阪環状線~西九条~ゆめ咲線~ユニバーサルシティ
神戸
西日本最大の貿易港を抱える神戸。北野の洋館から元町中華街まで異国情緒あふれる観光地が散りばめられています。夜は六甲山・摩耶山から100万ドルの夜景を眺めて帰りましょう。なお、神戸市の中心部にある駅は「神戸駅」ではなく「三ノ宮駅」なので気をつけましょう。
アクセス:名古屋~東海道本線~米原~琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線~三ノ宮
姫路
神戸からさらに「新快速」で40分ほど行けば、世界遺産「姫路城」を擁する姫路にたどり着きます。すべてが漆喰で塗られており、その美しさから「白鷺城」「近世日本最高の木造建築」とまで絶賛されるほど。
ちなみに、姫路市では、今川焼きのことを「御座候(ござそうろう)」と呼びます。街のあちこちで売っているので、そちらもあわせてどうぞ。
※兵庫県公式観光スポット「姫路城」 https://www.hyogo-tourism.jp/spot/0651 より引用
アクセス:名古屋~東海道本線~米原~琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線~姫路
奈良
奈良にも素晴らしい寺社仏閣が並びます。東大寺、薬師寺、唐招提寺、法隆寺…… 大学生になった今、もう一度行ってみませんか?
勿論、奈良市に限らず、古代ロマンあふれる飛鳥路、寺内町が今も残る今井、神武天皇を祀る橿原神宮、南北朝時代に南朝が成立した吉野山。あのとき訪ねられなかった史跡にも行ってみませんか?
アクセス:名古屋~関西本線~加茂~大和路線~奈良
アクセス:名古屋~東海道本線~米原~琵琶湖線~京都~JR奈良線~奈良
福井(今年がラストイヤー!)
東海道線に乗り、伊吹山を過ぎたら米原駅。そこからは関西方面に駒を進めることもできますが、北陸に向かうこともできます。
福井に着いたら、「ヨーロッパ軒」のソースカツ丼に舌鼓を打ちましょう。そして、私鉄「福井鉄道」に乗り継ぎ、東尋坊や恐竜博物館、永平寺を訪ねてみましょう。なお、北陸本線「敦賀〜福井〜金沢」の区間は来年3月をもってJRとしての営業を終え、それぞれの県で私鉄として生まれ変わります。なので、このあたりを18きっぷで訪れられるのは今のうちです。
アクセス:名古屋〜東海道本線〜米原〜北陸本線〜福井
木曽路
木曽路はすべて山の中。島崎藤村の描き出した情景が今も薫ります。木曽川に沿って通る中山道の宿場町は、昔ながらの民家がずらっと並びます。
アクセス:名古屋~中央本線~中津川・南木曽(なぎそ)・上松・木曽福島・奈良井・木曽平沢
飛騨高山・下呂
『粋』スタッフが春の18きっぷ期間中に飛騨高山と下呂を訪問しました!詳しくは『粋』79号を読んでみてください。
アクセス:名古屋〜東海道本線〜岐阜〜高山本線〜下呂・高山・飛騨古川
名古屋〜中央本線〜多治見〜太多線〜美濃太田〜高山本線〜下呂・高山・飛騨古川
静岡
浜松からさらに1時間強ほどで静岡駅に着きます。焼津港や清水港で海鮮丼を味わったり、世界遺産にも指定された景勝地「三保の松原」を訪ねましょう。日本平から街の風景を見下ろしてみるのもよいでしょう。
アクセス:名古屋~東海道本線~静岡
片道4~5時間
城崎温泉・天橋立
文豪・志賀直哉も取り上げた名湯、城崎温泉。松島・宮島と並ぶ日本三景・天橋立。
城崎温泉駅を出てすぐ、川沿いに柳の並ぶ温泉街が広がります。城崎温泉の外湯は1,500円で何か所でも巡り放題。湯上りにはスイーツやご飯をどうぞ。
アクセス:名古屋~東海道本線~米原~琵琶湖線~京都~嵯峨野線~園部~山陰本線~城崎温泉
園部~山陰本線~福知山~宮福線~宮津~宮豊線~天橋立
園部~山陰本線~綾部~舞鶴線~西舞鶴~宮舞線~天橋立
松本・諏訪
木曽路からさらに進むと塩尻駅。ここから北に行けば松本や長野、東へは諏訪や甲府です。松本では国宝「松本城」や「開智学校」のほか、上高地や美ヶ原といった自然の観光地を満喫できます。諏訪ではパワースポット「諏訪大社」のほか、駅の中の足湯(上諏訪駅)、白樺湖(茅野駅)などを訪ねましょう。
アクセス:名古屋~中央本線~松本・上諏訪・下諏訪・茅野
熱海・伊豆
数々の文人が愛した伊豆半島。温泉からグルメまで何でもそろう観光地がずらりと線状に並んでいます。入口の熱海は言わずと知れた湯治場で、温泉プリンや金目鯛の料理などを食べることもできます。
熱海で温泉に浸かったら、箱根や伊豆に足を延ばし、もう一風呂いってもいいでしょう。前者は路線バス(もしくは小田原より登山電車)、後者はJR(伊東まで)・伊豆急行(伊東以南)で向かえます。
アクセス:名古屋~東海道本線~熱海
横浜・鎌倉・江ノ島
首都圏の学生がデートに行くスポットとしても知られる、横浜・鎌倉。
横浜では、みなとみらいをゆったりと回った後、中華街で食べ歩きを楽しむのが定番。夜はランドマークタワーから夜景を眺めましょう。都会のローカル線「鶴見線」で海を眺めてみるのも一考です。最近は鉄道だけでなく、ゴンドラでもみなとみらいに行けるようになり、パノラマを眺めつつ行けるようになりました。
横浜から少し足を延ばすと鎌倉に到着できます。鎌倉幕府ありしころの鎌倉のメインストリート「小町通り」は、鶴岡八幡宮までスイーツ店やカフェが立ち並んでいて、こちらでも食べ歩きができます。そして、参拝が終わったら、路面電車「江ノ島電鉄」で鎌倉大仏(高徳院)や江ノ島に向かいましょう。
なお、横浜に至る道中、沼津から国府津(こうづ)までを御殿場線で行くこともできます。時間は少し余分にかかってしまいますが、御殿場のアウトレットや富士山の車窓を楽しむことができる路線です。
アクセス:名古屋~東海道本線~横浜
名古屋~東海道本線~大船~横須賀線~鎌倉~江ノ島電鉄~江ノ島
名古屋~東海道本線~藤沢~江ノ島電鉄~江ノ島
名古屋~東海道本線~大船~湘南モノレール~湘南江の島
東京・TDR
日本の首都・東京。知名度が抜群な浦安のネズミーランド。なにかと行くことが多い街でしょう。
就活や院試などで訪問する際、交通費を抑えるのにも使えるルートですし、途中で下車して鉄道旅行を満喫しながら抜けていくのもいいでしょう。
ちなみに、時間はかかりますが、中央本線を回り長野県・山梨県を通っていくルートもあります。行きと帰りでルートを変え、途中下車しながら1日かけていくのもありでしょう。
アクセス:名古屋~東海道本線~東京
金沢(今年がラストイヤー!)
北陸最大の都市・金沢。古い街並みの残るにし・ひがし茶屋街や金沢城。日本三名園のひとつ・兼六園。金沢21世紀美術館や国立工芸館など、非常に魅力が多い街です。「ハントンライス」や「8番らーめん」など、グルメにも事欠きません。
なお、北陸新幹線の延伸に伴い、在来線は私鉄に移行するため、今年がJRの在来線で訪問できる最後の年になります。
アクセス:名古屋~東海道本線~米原~北陸本線~金沢