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コラム

【THE・今夜も音楽三昧】#50《最終回!!》「ファイナル・カウントダウン(後)」

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皆様こんばんは。とうとう最終回を迎えました、「THE・今夜も音楽三昧」です。最終回ですがこれまで同様に進めていきますので、今週もどうぞよろしくお願いします。

今回は前回の続きです。前回の記事はこちらからどうぞ。 

【THE・今夜も音楽三昧】#49「ファイナル・カウントダウン(前)」

それでは、早速話の続きをしましょう。最後までお付き合いくださいね。

4曲目

さて、筆者には、「アーティスト縛り」でこのコラムを書いたことが2回あります。1回目は両親の影響でファンになったサザンオールスターズで、このコラムでも比較的早めの#6でお送りしました。2回目は今は亡き日本語フォークの名手・村下孝蔵で、ちょうど彼の命日にあたる6月24日に執筆機会が回ってきた#21で取り上げています。

今回、どちらかの楽曲を1曲は入れようと考えたのですが、後者については一番語りたい楽曲の話を#21の最後で既にしてしまった(「陽だまり」と言う楽曲です)ので、今回は前者の楽曲を1曲、取り上げようと思います。

互いにギター 鳴らすだけで わかりあえてた 奴もいたよ
戻れるならIn my life again 目に浮かぶのは better days
「Ya Ya~あの時代を忘れない~」(1982年、作詞:桑田佳祐、歌唱: サザンオールスターズ)

今回選曲した「Ya Ya」は、サザンオールスターズの中でも特に「青春」が一つのテーマとなっている楽曲です。彼らは青山学院大学(今では学生駅伝屈指の強豪ですね)の中の音楽サークルで出会い、後に日本を席巻するモンスターバンドを結成するわけですが、その当時の思い出が一つテーマとなっています。引用中の「Better days」というのも、サザンの前身バンドの名前です。他にも候補に入れた楽曲はいくつもありましたが、大学生ということでテーマに共感できる節が多かったこともあり、こちらを選びました。

これから筆者も含め、大学生はやがて卒業の日を迎え、社会人になっていきます。その時に思い返すのは、やはり大学時代のことなんでしょうか? 自分にとって大学生活の大部分を彩ってくれたのは『粋』でありそこでの仲間たちとの出会いでありそこでした経験でしたが、それらをどのように思い返すのだろう? と、今から考え込んでしまいます。悪癖かはわかりませんが。

大学時代に聞き、それが終わった時にもう一回聴くことによって印象を楽しむのは、この曲ならではの楽しみ方なのかな? と、筆者は思います。

Oh… もうあの頃のことは 夢の中へ 知らぬ間に遠く Years go by
Suger, Suger Ya Ya Petit Chaux 美しすぎるほど
Pleasure Pleasure, La La Voulez-Vous 忘られぬ日々よ
Ya Ya~あの時代を忘れない~」(1982年、作詞:桑田佳祐、歌唱: サザンオールスターズ)

いつもの大学のキャンパスのこの景色。うっかり忘れがちであるが、卒業してしまえばそうそう見られるものではない

5曲目

次の楽曲は、一言で表すならば「ハチャメチャな哲学」です。

ひらりひらりも隙のうちと 駆け込み 滑り込み ウットリ(ウットリ)
これぞ神風 沿う太陽 虫の息 ひと知れず
「はなまるぴっぴはよいこだけ」(2015年、作詞:あさき、歌唱:A応P)

A応Pの「はなまるぴっぴはよいこだけ」。このコラムではまあまあ珍しい毛色の選曲かな、と自分では思います。人気アニメ「おそ松さん」の最初の主題歌として作成された楽曲で、どうにもにぎやかな作風が特徴的なハイテンポナンバーですが、歌詞を読むと、不思議とそれがただのデタラメではないように思えてきます。哲学っぽいのです。

まず、タイトルからして「はなまるぴっぴ」というのは何でしょうか? 「はなまる」と言うくらいですから「良い人」のことを指していそうですが、タイアップ先の事情も考えると、それが「よいこだけ」というのは妙です(「おそ松さん」の主人公は、実家で定職を持っていない、いわゆるニートで、劇中でもしばしば「わるいこ」なエピソードが披露されます)。また、その直前にも「ぽぽんちゅーちゅー」という謎ワードが出てきます。これは何を指し示しているんだか…? そんな具合に、考えれば考えるほど知らない表情を見せてくれるのが、この楽曲なのです。

あなただけの解釈がきっと見つかる、そんな多面的で哲学的な側面がこの歌には存在し、その特性が唯一無二の存在感を放っています。

ここからはじめて古今東西 鳴りやまぬ花 焼べるは水平線
めろめろとろけてぽぽんちゅーちゅーさ 明日も昨日のよいこだけ
「はなまるぴっぴはよいこだけ」(2015年、作詞:あさき、歌唱:A応P)

誰かが「日本の文化はごちゃまぜ・シャッフル」と言っていた気がするが、それは言いえて妙だ。万物が折衷されて価値を持っている

6曲目

いよいよ最後の一曲ですね。この曲のお話をして、コラムを締めようと思います。

君がどうしても帰ると言うのなら もう止めはしないけど 心残りさ少し 幸せにできなかったこと
「君と歩いた青春」(1976年、作詞:伊勢正三、歌唱:太田裕美)

タイトルは「君と歩いた青春」。元々は「22歳の別れ」のヒットで知られる音楽グループ・風の楽曲ですが、同年中に太田裕美がカバーしたバージョンの方が有名かもしれません。いずれにせよ、日本のフォークソングの中でもトップクラスの名曲です。

歌詞は、かつて意中の人(「君」)と駆け落ちを果たした「僕」が、故郷に帰っていく「君」を見送る日の心情がテーマ。ゆったりとした歌唱に乗せて、「君」への想いや故郷に残してきた友人たちとの話が紡がれます。元々好きだった楽曲の一つですが、もうすぐ『粋』での青春が終わる時期に聞くと、改めて感慨深いものを感じる、そんな一曲です。

故郷へ帰ったらあいつらに会うといいさよろしく伝えてくれ きっと又昔のようにみんなで楽しくやれるさ
きれいな夕焼け雲を 憶えているかい? 君と始めて出逢ったのは ぼくが一番最初だったね
「君と歩いた青春」(1976年、作詞:伊勢正三、歌唱:太田裕美)

川の水面に浮かぶ夕陽は、なぜああも郷愁を誘うのか。沈みゆく紅の太陽を見ながら、つい物思いにふける日々である

おわりに

…というわけで、「ファイナル・カウントダウン」の後編が終わりました。最後まで読んでくださった方々、誠にありがとうございます。

とうとう、このコラムに終止符を打つ時が来ました。ここまで続けられたのもひとえに読者の皆様のおかげであり、大変な感謝をしております。自分自身、1年間をかけて毎週さまざまな歌と向き合ってきて、改めて邦楽の奥深さを感じる日々を過ごしました。その中での気づきも多く、このコラムが『粋』のスタッフとしての活動をより重厚感のあるものにしてくれたと思っています。返す返す、ありがとうございます。

さて、来週からは後輩スタッフによる新コラムが開始予定です。題して「200字の世界」。初回は来週金曜に早速公開となっておりますので、そちらもぜひ読んでくださると幸いです。

では、またいつか、機会があればお会いしましょう~。長らくありがとうございました。

作者よりお知らせ

当コラムでは、内容向上などの参考とするため、読者アンケートを行っております。ぜひとも感想をおきかせいただければと思っておりますので、以下のURLより回答をよろしくお願いいたします。所要時間は1~2分程度です。

https://docs.google.com/forms/d/1oyWzQmlP1xmSZ_x4uGCZjOHnx29GuFG_OD3jAr0fzA0

このコラムで紹介した楽曲のプレイリストを用意しました。LINE MUSICで聴くことができます。以下のURLからアクセスしてください。次回以降の紹介曲についても順次公開していきますのでよろしくお願いします。

https://music.line.me/webapp/playlist/upi7nLrdtfvhxjzl_GXu9zYQaUd_BLXPXHlL?myAlbumIf=true

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村尾 佳祐

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