「先輩方の姿は、自分が目指すべき大きな理想像になりました」。NEW FACE INTERVIEW!! ~期待のルーキー達はどんな『粋』を描くのか~ Vol.4
『粋』スタッフたちは普段どのようなことを考えて誌面を制作しているのか?その姿に迫る粋web限定企画「スタッフに訊く!」。
今回は、今年新たに『粋』の仲間となった1年生スタッフにお話を伺う「NEW FACE INTERVIEW!!」の第4弾。DTP部に所属するとべ、よこやま、りなぞーの3人が語ります。聞き手は引き続き、企画部の村尾でお送りいたします。
『粋』に入ったのは、とても運命じみたものだと感じます (よこやま)
―そもそも、『粋』に入ったのはなぜでしたか?
とべ:私は3年生になってから『粋』に入りました。元々大学に入った時から出版系のサークルに興味があったのですが、大学入学がちょうどパンデミックの第1波と被ってしまい対面講義は中止、『粋』も休刊期間に入ってしまっていたため、しばらく『粋』の存在を知らずに過ごしていました。
『粋』の存在を知ったのは大学2年生の冬です。大学内で新刊の手配りをしている場面に直面し、元々気になっていた出版系のサークルがあると知り、またスタッフも3年生まで在籍しているということで今からでも遅くはないと、入部を決めました。
よこやま:『粋』を知ったのは大学の新歓冊子です。直感的に面白そうだと思いつつ、他のサークルも検討したかったのでその場では入部を決めませんでした。
ところが、大学の講義のクラス分けがあったときに、同じクラスにもう一人『粋』への入部を検討している子がいたんです。その子に誘われるままにオンラインの説明会に参加し、入りたいという気持ちが強くなりました。そして、幹部の先輩方との面談を通じて、このサークルで活動したいという思いが確たるものになり、入部に至りました。
後で知ったのですが、自分が参加した説明会は今年度最後の回だったそうです。そう考えると、自分が『粋』に入ったのは、とても運命じみたものだと感じます。説明会に誘ってくれたその子には感謝しないといけませんね(笑)
りなぞー:大学の新歓イべントで冊子を受け取り、そのクオリティに衝撃を受けました。のちに他のサークルも見て回って絞り込みの段階に入った時も、冊子を読んだことの感動を思い出し、入部の決定打になりました。
―DTP部を選んだ決め手は何でしたか?
とべ:念願の出版系サークルで活動をできる機会を手にしたので、折角ならば制作の根幹に近い部分で活動をしたいと思い、企画部とDTP部に絞りました。その後、企画部は既に定員に到達している(注:『粋』の各部署には4人/1学年までという人数制限があります)ということが分かり、DTP部を志願しました。
よこやま:元々「大学に入ったら何かをデザインすることにも挑戦できないかな?」と考えていたので、説明会でデザイン専門の部署があると聞いた時点で即決でした。
りなぞー:もともと絵を描くのが好きで、中学校や高校では部活動のチラシのデザインを担当したこともありました。それに、『粋』のデザインは洗練されていて、最初に読んだ時点で、「自分も作ってみたいな」という思いがありました。
編集長は間違いなく、私にとって理想の上司です(りなぞー)
―3人は『粋』75号(10月8日発行、現在好評設置中)で編集者人生の第1歩を踏み出しましたが、最初の制作を終えて、率直にどうでしたか?
よこやま:制作が始まる少し前に、DTP部の部長の先輩と話す機会があり、そこで「なかなか希望が通らないよ」という話をされました。自分の作りたいデザインと冊子全体の視点から求められるデザインには開きがある、という意味です。そして、今回の制作ではこの言葉の意味を身にしみて感じました。ただ、自分の理想と誌面の理想の狭間で試行錯誤する時間はとても有意義なものだったと思います。
それと同時に、企画部のスタッフとの連携の大切さも痛感しました。段落の配置や表記の確認など、企画部ならではの観点からデザインに意見を頂く機会も多かったからです。次回以降の制作でも、そこの連携は強固に取っていきたいと思います。
りなぞー:これほど長い時間をかけて同じデザインと向き合う機会はこれまでにはあまりなかったので、新鮮な経験でした。こだわりを持って突き詰めていく楽しみと、見栄え・読みやすさ・情報の伝わりやすさの3つの均衡を慎重に吟味する難しさの両方を味わう制作でした。
とべ:率直に言ってめちゃくちゃ大変でした(苦笑)。制作を進めるにつれて自分に足りていないものが次々と炙り出されていく、反省の日々でした。これからもっと精進していかなくちゃと思っています。
―今回の制作で印象に残っていることは何ですか?
よこやま:「粋な人」の取材に同行したことです。出張カメラマンをされている方に話を聞きに行ったのですが、インタビュー企画の難しさを肌身にしみて感じましたし、カメラマンの方にお話を伺うということ自体が、『粋』に入部していなかったら経験しなかったであろうことで、印象に残っています。
りなぞー:やっぱり校正です。パソコン越しに自分のデザインと長時間に向き合い続け、心が折れかけた瞬間もありましたが、自分のデザインに他のスタッフの皆がつけてくれるコメントを読むたびに奮起し、やり遂げることができました。
とべ:作る側に回らないと気づけない大変さに多く気づけたことです。その例の一つが、「揃え」という作業です。写真の位置関係や文字枠の配置、文頭や文末などの位置を整然とさせることで見栄えを良くする作業なのですが、すべてを例外なく統一することはとても難しく、今回の制作でもなかなかの鬼門でした。デザインの奥の深さを感じた一幕でした。
―今回、先輩スタッフと共に制作をして、見習いたいと思ったこと、大切だと思った考え方などはありましたか?
よこやま:幹部の先輩方から学ぶべきものがたくさんありました。編集長を中心に作られる、やる気のある人々を全力で応援する『粋』という団体そのものの空気感にも感銘を受けましたし、校正では企画部長が見せる『粋』への際限なき情熱から、スタッフとしてのあるべき姿を学びました。そして何より、DTP部長が持っている柔軟な発想力や、要所を締めつつ後輩たちが制作しやすい環境を整備するリーダーシップは、自分が3年生になるまでに目指すべき大きな理想像になりました。
りなぞー:先輩方それぞれのスキルの高さに圧倒されていました。特に編集長の統率力は群を抜いていると感じます。後輩に無理をさせず、かといって自分自身も無理に譲歩しない。そういった落としどころの探り方がとても上手だと感じます。編集長は間違いなく、私にとって理想の上司です。
とべ:一言で言うならば「内に秘める信念」でしょうか。年齢は1つや2つしか違わないのに、素人目には思いつかないような企画や革新的なデザインが次々と飛び出してくる様は本当にすごいと思います。そして、そういった思考力を支えている信念や陰の努力に、敬意を払わなければと感じます。
―あなたが、同期の誰にも負けないと思うことは何ですか?
よこやま:爆発力です。勝負所が来たと思ったらそれを絶対に逃さず、確実にものにする自信があります。
りなぞー:人や物のいいところを探す力です。雑誌の校正作業は「ダメな部分を指摘する」というイメージが付きまといがちですが、私はどちらかというと、原稿やデザインの長所を見つけることを意識して臨んでいます。そうすることで、作品の目指すべき境地が自ずと拓けると思っています。
とべ:「真面目さ」です。自分のダメなところを見つめ、分析し、次に生かすんだ、という心構えだけはブレずに貫かなければと考えています。
『粋』史上最高の先輩方を超える傑作を目指したいです (よこやま)
―これからの編集者生活でやってみたいこと・展望・野望などはありますか?
りなぞー:『粋』という冊子は、さまざまな繋がりをもたらしてくれます。それを制作するスタッフがいて、企画に賛同して協力してくださる人々がいて、冊子に賛同して広告提供をしてくださる企業やお店の方々がいて、それを読んでくださるスタッフがいて……という具合に、『粋』という冊子は、多くの人々を巻き込みながら歩みを進めています。その『粋』が作り上げていく「輪」をどんどん大きくしていきたいですね。ゆくゆくは名大・南山大に関わる全員が読者になればいいなとも考えています。
とべ:私は3年生なので、次の号が自分の関わる最後の制作です(注:『粋』の編集スタッフの任期は3年生の末まで)。なので、次回が早くも私の集大成です。前回の収穫と課題を活かし、他のスタッフにも認めてもらえるようなデザインを最後に作れればと思います。
よこやま:とべさんも言っていますが、もうすぐ3年生の先輩方が勇退します。今の3年生の先輩方は、号を重ねる度に、『粋』史上最高傑作を叩き出していく、そんな先輩方だったと思います。まずは3年生の先輩方の作る作品に並ぶ傑作を生みだせるように、そして自分が3年生になったときにはそこを超越して行けるように、ということを目標に頑張っていきたいと思っています。
スタッフは皆、サークルのレべルを超える情熱を燃やしています(とべ)
―同期に伝えたいことはありますか?
とべ:尊敬の一言に尽きます。皆と制作できるあと1号、大切にしたいです。
よこやま:皆は僕のことをどれ位知っているのでしょうか(笑) これからも全員と仲を深めていきたいので、よろしくお願いします。それからこんちゃん、校正では本当にお世話になりました。ありがとう。
りなぞー:また全員で食事がしたいです。今度はタコパで!! (笑)
―読者に伝えたいことはありますか?
とべ:いつも『粋』を読んでくださりありがとうございます。スタッフは皆、サークルのレべルを超えた情熱を、この冊子に燃やして制作しています。ぜひ冊子を手に取り、その情熱を感じてみてほしいです。
よこやま:先輩方の想いを引き継ぎ、『粋』の良さを継承できるよう精進していきますので、今後とも『粋』をよろしくお願いいたします。
りなぞー:『粋』は読者のみなさまあってこその雑誌です。まずは設置してある冊子を読んでみてください!
インタビューを終えて―聴き手・村尾のひとこと―
「スタッフに訊く!」担当者よりお知らせ
当連載では、内容の向上や今後の企画の参考とするため、読者の皆様にアンケートへのご協力をお願いしております。『粋』は読者の皆様のご支援があってこそ成り立っており、皆様の感想は我々スタッフ一同にとっても大きなモチベーションになっておりますゆえ、ぜひとも感想をお聞かせいただければと思っております。よろしくお願いいたします。