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コラム

【THE・今夜も音楽三昧】#36「あの電車に乗っていこう」

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皆様こんばんは。今週も「THE・今夜も音楽三昧」の時間がやってまいりました。今週もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、本日は10月14日ですが、実は「鉄道の日」なんです。1872年のこの日に新橋―横浜間で日本最初の鉄道が運転を開始したことにちなんでおり、今年で制定からちょうど100年(!)を迎える、由緒正しき記念日です(1942年までは「鉄道記念日」名義)。

そこで今回は、電車をテーマにする楽曲をいくつかご紹介したいと思います。今週も最後までお付き合いください。

でっかい東京

本日最初に紹介するのは、こちらの楽曲です。

赤い電車に乗っかって僕はどこかへ行ってしまいたい

赤い電車は羽田から 僕らを乗せてひとっ飛び 

「赤い電車」(2005年、作詞:岸田繁、歌唱:くるり)

くるりの「赤い電車」。2005年に真っ赤な車両がトレードマークの関東屈指の大型私鉄・京急のイメージソングとして書き下ろされた楽曲です。

メロウな歌唱と打ち込みを前面に押し出したサウンドが特徴的な楽曲で、8ビートと見せかけて変則リズムがふんだんに取り入れられていたり、難関な言葉を極力排した短い歌詞が断続的に続いたりと、「歌」というよりもどこかBGMじみた魅力を感じさせる1曲となっています。また、私鉄のタイアップということもあってか、実際の電車のモーター駆動音を取り入れ、MVは実際の車窓映像となっているなど、唯一無二の仕上がりを実現させています。

ちなみにこのイメージソングが生まれたのは、当時の京急社長がくるりのメンバーと同郷の人間だったからなんだとか。作詞した岸田繁が「相手社長への愛を込めた」と語るこの歌は、使用開始から15年以上が経ってなお京急を象徴する楽曲となっています。

でっかい東京 こんな街もあるんだ

見たことのない景色見せてよ 赤い電車

「赤い電車」(2005年、作詞:岸田繁、歌唱:くるり)
名古屋で「赤い電車」といえばやっぱり名古屋鉄道か。最近は「銀電」と呼ばれるシルバーの
車両も増えているが、それでも青空に映える「名鉄スカーレット」は愛知県民を惹きつけ続ける

人生、即ち一本の線路

まだ知らない Zone めざすよ tonight

リアルな時が止まる edge of time

「Choo Choo Train」(1991年、作詞:佐藤ありす、歌唱:ZOO)

続いて紹介するのは「Choo Choo Train」。EXILEの楽曲として認知される機会の多い楽曲ですが、一番最初にこれを歌ったのはZOOという音楽グループでした。1991年の末に、同年末から翌1992年にかけて展開される「JR Ski Skiキャンペーン」のためのテーマソングとして作成された楽曲で、焚火を囲んでメンバーが躍るMVでも有名なナンバーとなっています。

タイトルの「Choo Choo Train」は言うまでもなく「蒸気機関車」を意味する英語ですが、この曲中での機関車は「人生を推し進めていくための乗り物」という位置づけで登場します。闇夜を切り裂きながらまだ見ぬ場所へ自分を連れて行ってくれる機関車は、未開の地を常に目指し続けるフロンティア精神を例えてあまりある乗り物なのかもしれませんね。

Fun! Fun! We hit the step! step! 同じ風の中 We know! We love! Oh!

Heat! Heat! (The)beat’s like a skip! skip!

ときめきを運ぶよ Choo Choo Train

「Choo Choo Train」(2003年、作詞:佐藤ありす、歌唱:EXILE)
闇夜を矢のように駆け抜けていく列車の姿に、見えない明日へと驀進する人々を重ねてみる。
最終電車を降りながら、同乗者だった者たちの明日について考えてみる

今も昔も、別れの電車?

そんな「電車」ですが、長距離移動の定番だからか、今も昔も別れのシンボルとしての側面も持ち合わせているようです。最後はそんなお話を。

貴社を待つ君の横で僕は時計を気にしてる 季節外れの雪が降ってる

「なごり雪」(1974年、作詞:伊勢正三、歌唱:かぐや姫)

日本フォークの中でも屈指の知名度を誇る「なごり雪」ですが、東京から地方へと去っていく「君」との別れがテーマとなっており、地方幸の記者を待っている二人に季節外れの雪が降る…という情景を歌った楽曲となっています。元々は「神田川」などのヒットで知られる音楽グループ・かぐや姫の楽曲で、その翌年に女性歌手・イルカがカバーして大ヒットを記録しました。

そして、この歌のヒット以降、「電車の歌と言えば別れ」という一種の等式が確立され、様々な別れのナンバーに電車が登場するようになっていきます。例えば…

1人で決めた別れを責める言葉探して 不意に北の空を追う

伝えておくれ 12月の旅人よ いつ、いつ、いつまでも待っていると

「さらばシベリア鉄道」(1980年、作詞:松本隆、歌唱:太田裕美)

1980年発売の「さらばシベリア鉄道」で描かれたのは異国の地へと旅立った相手との別れ。おそらく視点人物にはロクに相談も市内での決断だったのでしょう、そこに対する哀愁が歌われています。他には…

ひとつ隣の車両に乗り 俯く横顔見ていたら 思わず涙溢れてきそう

今になってあなたの気持ち 初めてわかるの 痛いほど

私だけ愛してたことも…

「駅」(1986年、作詞:竹内まりや、歌唱:中森明菜)

1986年の「駅」のテーマは「別れたその後」。どうやら想いは視点人物の一方通行だったようで、その切なさ、もう戻れないという現実の重さが歌われます。ちなみにこの歌を一番最初に唄ったのは竹内まりやではなく、先日SNSが登場して話題となった中森明菜であることはあまり知られていないかもしませんね…。そして、元号が平成になっても先述の傾向は続き…

改札の前 つなぐ手と手 いつものざわめき 新しい風

明るく見送るはずだったのに うまく笑えずに君を見ていた

「奏」(2004年、作詞・歌唱:スキマスイッチ)

2004年には駅での別れをテーマにした楽曲「奏」が大ヒットしました。今なおカラオケの人気楽曲ランキングの常連となっていますね。

令和の時代には、どんな別れのナンバーが駅で繰り広げられるのでしょうか?

今となっては高速鉄道の類が次々と整備され、電車での別れは心理的距離としては昔よりも随分と
近く感じられるようになった。それでも、駅には別れにドラマを植え付ける魔力がある

おわりに

というわけで、今日は「電車」に関するお話でした。

粋Webで電車と言えば、コラム連載「名古屋市営地下鉄全駅紹介」が展開されていますね。こちらも現在20以上の駅がすでに紹介されていると思います。よろしければ、是非ご一読ください。

それでは、また来週もこの時間にお会いしましょう~。

作者よりお知らせ

当コラムでは、内容向上などの参考とするため、読者アンケートを行っております。ぜひとも感想をおきかせいただければと思っておりますので、以下のURLより回答をよろしくお願いいたします。所要時間は1~2分程度です。

https://docs.google.com/forms/d/1oyWzQmlP1xmSZ_x4uGCZjOHnx29GuFG_OD3jAr0fzA0

このコラムで紹介した楽曲のプレイリストを用意しました。LINE MUSICで聴くことができます。以下のURLからアクセスしてください。次回以降の紹介曲についても順次公開していきますのでよろしくお願いします。

https://music.line.me/webapp/playlist/upi7nLrdtfvhxjzl_GXu9zYQaUd_BLXPXHlL?myAlbumIf=true

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村尾 佳祐

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