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コラム

【THE・今夜も音楽三昧】#33「あの日の歌に寄す・晩夏篇(後)」

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皆様こんばんは。今週も「THE・今夜も音楽三昧」の時間がやってまいりました。今週もどうぞよろしくお願いいたします。

今回の「音楽三昧」は前回に引き続き、晩夏に関する楽曲の数々を、瞬間を切り取る不定期企画「あの日の歌に寄す」に載せてお送りします。まだ前回の記事をご覧になられていないという方は、是非以下のURLからご覧ください。

それでは、今週も最後までお付き合いくださいね。

SCENE 04:Hello,my friend

地元の夏祭りが今年も終わった。今年は初めて設営のお手伝いにも参加して、地元の若人の仲間入りを果たしたような気分だった。

時刻は既に深夜1時に迫っていたが、遅くなることを見越して昨日は昼過ぎまで仮眠をとっていたため、はっきり言って全然眠くない。小腹がすいたのでカップヌードルを食べようと、電子ポットをつけ、テレビをつけると、深夜枠だからか、昔のドラマの再放送中だ。タイトルは「君といた夏」。夏休みを過ごす大学生のもとに同世代の縁戚が急遽転がり込んできたことに端を発する人間関係を描いた作品だ。ちょうど今の時期がテーマの作品なので、放送にはうってつけだったのだろう。

そんな群像劇を彩る主題歌に耳を傾けるうち、寂寥感が全身を貫く錯覚を覚える。何故かはわからない。歌われている情景に心覚えがあるわけではないし、1話から見ていたわけではないので相関があるかも不透明だ。しかし、その寂寥感が妙に心に残り、来週以降の回をその場で録画した。その設定が終わるのと、腹の虫が鳴くのと、ポットのスイッチが自動で切れる音がしたのは、ほぼ同時だった。

Hello, my friend 今年もたたみだしたストアー 台風がゆく頃は涼しくなる

Yesterday 君に恋した夏の痛みを抱きしめるこの季節 走るたび Ah…..

淋しくて 淋しくて 君のこと想うよ 離れても胸の奥の友達でいさせて

僕が生き急ぐときには そっとたしなめておくれよ

「Hello,my friend」(1994年、作詞・歌唱:松任谷由実)
夕方という季節は哀愁を連れてくる。一日が終わるという事実を越えた何かを誘ってくる。
行楽終わりの駐車場で陽が沈んでいくときのあの寂しさときたら、筆舌に尽くしがたい

SCENE 05:夏のクラクション

海沿いのカーブを君の白いクーペで曲がれば夏も終わる

「夏のクラクション」(1983年、作詞:売野雅勇、歌唱:稲垣潤一)

夏休みももうすぐ終わり、という時期にレンタカーを借りて一人気ままのドライブ。選んだのは白いクーペだった。別段深い理由があったわけではない。ちょうど借りるために建物に入ったら館内のBGMが「白いクーペで~♪」とうたっているような気がしたからだ。どうせ一人だし、座席が2つしかなくても事足りる。

その後、Soundhoundを使って流れていたBGMを特定した。自分が生まれるよりも随分前のヒット曲のようだ。言葉遣いがかなりしゃれこんだ、恋に破れた男性の未練がテーマのバラードと見える。昔の映画の世界観がそのまま歌になったような曲だな…というのが第一印象だった。この曲の影響もあって、行き先を海に決めた。

2時間弱車を走らせて辿り着いたのは、海沿いに立つ小さな展望台。幸い他の客はいない。この時間は独り占めできそうだ。青い海を仰ぎ見ながら、秋学期も清々しく頑張らないとな!と決意を新たにし、車に戻ったとき、ふとクラクションを鳴らしてみたくなり、ハンドルの真ん中を手で突いてみる。びびぃっと、鋭い音が潮風の中に響いた。

夏のクラクション Babyもう一度鳴らしてくれ In My Heart

夏のクラクション あの日のように聴かせてくれ

跡切れた夢を揺り起こすように…

「夏のクラクション」(1983年、作詞:売野雅勇、歌唱:稲垣潤一)
スタイリッシュな最新モデルの車と、重厚感のあるレトロカーは、デザインでは甲乙つけがたい。
最近は、レトロカーのデザインを残しつつ最新技術を搭載させる試みも随所で取り入れられている

SCENE 06:若者のすべて

渋谷にある高層ビル・クロスタワーは3階にテラスがあり、そこに今は亡き若者のカリスマ・尾崎豊の歌碑が置かれている。彼が在りし日にファンだった両親が言うには、尾崎がこのテラスで夕日を眺めながら作詞・作曲をしていたという逸話があったことで作られたのだという。

自分がこの世に来た時には既に尾崎はこの世にいなかったからか、自分は両親ほど彼に入れ込んではいない。が、そんな自分にも一人、入れ込んでいる「今は亡きカリスマ」がいることを、両親はまだ知らない。

その名前は、志村正彦。2004年にデビューしたバンド・フジファブリックのリーダーだ。歌い手としてのみならず作詞・作曲も手掛け、その楽曲の多数を生み出した、陳腐な言葉かもしれないが「天才」だった。デビューした時自分は中学生。天才が現れたな、と思ったものだった。

ところがそれから数年後のクリスマス、彼は本人も予期しなかった形で、あまりに突然の最期を遂げてしまう。当然大きなニュースになったが、悲痛を飛び越えて呆然とし、結局最後まで涙が流れることはなかったっけ…と記憶している。ただ、その後もフジファブリックの音楽を自分は聞き続け、そして今に至る。

こんなことを思い出したのは、晩夏になったからだ。この時期になると絶対に忘れられない歌があるのだ。

「真夏のピークが去った」天気予報士がテレビで言ってた

それでも未だに街は落ち着かないような気がしている

夕方5時のチャイムが今日はなんだか胸に響いて

「運命」なんて便利なものでぼんやりさせて

「若者のすべて」(2008年、作詞:志村正彦、歌唱:フジファブリック)

ラジオのニュースは納涼花火大会の様子を伝えている。今年もこのニュースが来たということは、そろそろ秋が来るのだろう。今度は「茜色の夕陽」でも聞こうか、と思案しながらラジオの電源を落とした。

最後の花火に今年もなったな 何年経っても思い出してしまうな

ないかな ないよな きっとね いないよな

会ったら言えるかな? まぶた閉じて浮かべているよ

「若者のすべて」(2008年、作詞:志村正彦、歌唱:フジファブリック)
大都会の真ん中で、「若者」と呼ばれる時代を生きる現代の20代たち。これまでの世代とは
大きく違うかもしれないが、きっと「若者の流儀」なるものを街の中で磨き上げていることだろう

おわりに

というわけで、今回と前回は「晩夏」に関するナンバーを紹介してまいりました。最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。

この時期の楽曲は年代を問わず、さまざまな名作が揃っています。ぜひ、自分なりの「晩夏ソング」を探してみてはいかがでしょうか?

それでは、また来週もお会いしましょう~。

作者よりお知らせ

当コラムでは、内容向上などの参考とするため、読者アンケートを行っております。ぜひとも感想をおきかせいただければと思っておりますので、以下のURLより回答をよろしくお願いいたします。所要時間は1~2分程度です。

https://docs.google.com/forms/d/1oyWzQmlP1xmSZ_x4uGCZjOHnx29GuFG_OD3jAr0fzA0

このコラムで紹介した楽曲のプレイリストを用意しました。LINE MUSICで聴くことができます。以下のURLからアクセスしてください。次回以降の紹介曲についても順次公開していきますのでよろしくお願いします。

https://music.line.me/webapp/playlist/upi7nLrdtfvhxjzl_GXu9zYQaUd_BLXPXHlL?myAlbumIf=true

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村尾 佳祐

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