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コラム

【THE・今夜も音楽三昧】#30「九月来ぬ」

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月も変わり、サムネイルもリメイクです

皆様こんばんは。今週も「THE・今夜も音楽三昧」の時間がやってまいりました。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、昨日で9月がはじまりましたね。ここまでに1年間の2/3が終わったということになります。時の流れはいつだって早いと感じさせますね。「一日千秋」ということわざもありますが、やはり「光陰矢の如し」の方が実感としては分かるような気がしてきます。

そんなわけで9月最初の更新となる「THE・今夜も音楽三昧」は、9月になったからこそ聞きたい、「9月のナンバー」をいくつかご紹介したいと思います。今週も最後までお付き合いくださいね~。

哀しみ募る、駅での一コマ

さて、早速ですが、皆様に一つ質問をしてみましょう。

Q:「September」というタイトルの歌といえば?

…この質問、洋楽と邦楽のどっちが好きかで答えが結構分かれるんだそうです。前者の場合は多くが「アース・ウィンド&ファイヤー(EW&F)」の歌を挙げます。世界的に大ヒットを記録したディスコソングの金字塔ですね。では後者は…?

辛子色のシャツ追いながら 飛び乗った電車のドア

いけないと知りながら 振り向けば隠れた 

「SEPTEMBER」(1979年、作詞:松本隆、歌唱:竹内まりや)

竹内まりやのキャリア初期の代表曲ですね。ちなみに、EW&Fの方の曲とは発売年は1年違い。夏から秋への季節の遷移をイメージしたような爽やかなサウンドが耳に就く楽曲ですが、歌詞をよくよく読んでみると、あまりに切ない…。

その内容たるや、相手に乗り換えられて恋が終わろうとしている女性が、乗り換え先の女性に逢いに行くのであろう相手を列車で追いつつも、自分の恋は実らないで終わるのだろうという諦念を綴っているのです…。夏から秋にかけて気温が冷え込んでいく、情熱の季節から寂寥の季節に移り変わる、そこに目をつけたということでしょうか。作詞・作曲は共に超大物とうたわれる松本隆&林哲司で、アイドルソングとしても通用する音楽性は一種特徴的でもあります。彼らにとって、「健気な恋の終わり」を描くのに、9月はもってこいな時期だったのかもしれません。

September そしてあなたは September 秋に変わった

夏の陽射しが弱まるように心に影がさした

September そして九月は September さよならの国

ほどきかけてる愛の結び目 涙が木の葉になる…

「SEPTEMBER」(1979年、作詞:松本隆、歌唱:竹内まりや)
何の変哲もない駅のプラットホームだが、もしかするとこの歌に歌われているような切ない思いを
抱えた乗客がいるやもしれぬ。生憎、広がっているのはそんな思いとは裏腹の青空なのだが

こちらは「王道」です

先ほどの「SEPTEMBER」で作詞者として登場させた松本隆は、9月にまつわる楽曲でもう1つ、有名どころを手掛けています。それがこちら。

車のワイパーすかして見てた都会にうずまくイルミネーション

唇かみしめ タクシーの中で あなたの住所をポツリと告げた

「九月の雨」(1977年、作詞:松本隆、歌唱:太田裕美)

太田裕美の「九月の雨」。太田はここまでの2年間で「木綿のハンカチーフ」と「赤いハイヒール」がスマッシュヒットを果たしており、3年連続で代表曲クラスの楽曲を輩出することはできるのか、という時期にリリースされた楽曲です。もともとはアルバム「こけてぃっしゅ」のトリとして用意されていましたが、タイトル通りの同年9月1日にシングル化されました。

シチュエーションは先ほどの「SEPTEMBER」に似ており、恋が終わるかもしれないという不安の中で恋人にタクシーで逢いに行く女性の心理がテーマ。9月はそういう哀しい時期柄なんでしょうかね…?私はそうでもないと思いますが。

それはさておき、先ほどの「SEPTEMBER」は曲調と詞の内容のギャップで魅せる楽曲でしたが、こちらは比較的描かれているシチュエーションとサウンドに乖離はあまりなく、王道というべき仕上がりです。タイトルを印象的に用いたサビの詞に合わせて音域が一気に広がるなどの工夫も随所にみられ、完成度は総じて高いと言えます。実際、この歌もスマッシュヒットを果たし、アルバム曲出身ながら「木綿の~」や「赤い~」に次ぐ太田の代表曲となりました。

September rain rain 九月の雨は冷たくて

September rain rain 思い出にさえ沁みている

愛はこんなにつらいものなら私ひとりで生きてゆけない

September rain 九月の雨は冷たくて 

「九月の雨」(1977年、作詞:松本隆、歌唱:太田裕美)
秋に降る雨というと、物思いにふけっている様子が似合いそうなしとしと雨が思い浮かぶ。
もっとも、最近は短い時間で爆発的に降るケースがこの名古屋でも増加傾向にあるのだが

2つの年代を沸かせたDISCO SOUND

ここまで紹介した2曲は、9月を「恋が翳りゆく季節」の象徴として登場させていましたが、全く逆の発想でヒットした歌もありました。それがこちら。

それは九月だった 妖しい季節だった

夕闇をドレスに変えて 君が踊れば都会も踊る

「すみれ September Love」(1982年、作詞:竜真知子、歌唱:一風堂)

それが「すみれ September Love」という楽曲。1982年に「元祖V系バンド」とも呼ばれる音楽グループ・一風堂がカネボウ化粧品の新作キャンペーンに向けた新曲としてリリースしてヒットしたのち、SHAZNAによるカバーが1998年に今なお続く人気バラエティ番組「ビートたけしのTVタックル」のテーマ曲に抜擢されて再ブレイク、と、80年代、90年代の2年代にわたり支持を集めた楽曲です。

こちらがテーマにしているのは、いわゆる「一目惚れ」。9月のある夜に出くわしたっきりの女性に心を踊らされる男性の心情がテーマで、揺れ動く心理状態を表すようなスウィングの効いたディスコサウンドや言葉遊びを取り入れた詞から構成される世界観が持ち味の楽曲です。SHAZNAのバージョンでは、エレキギターのサウンドがより前面に押し出され、歌いだしにもある「妖しさ」がさらに増幅、比較的クリアに歌い上げる原曲とはまた違う印象を与えます。

ちなみに、タイトルの「すみれ」は普通は春に花咲く植物。それを秋の歌に持ってきた意図を考えてみるのも面白いかもしれません。「紫色」という色の持つイメージを歌に追加したかったのでしょうか…?

ことしもあと数か月ほどしたらイルミネーションの季節が到来するだろう。様々な色で光り輝く
路面に立つと、なるほど、「夢の世界」にいるような錯覚さえ感じられる

おわりに

というわけで、本日は「9月の歌」をテーマにお送りしました。

この「粋Web」の読者の皆様は多くが大学生で、まだまだこれから夏休みだ!という方が相当数いるかと思います。これから徐々に近づく秋の気配のお供に、是非、音楽を楽しんでほしいと思います。

それでは、また来週もお会いしましょう~。

作者よりお知らせ

当コラムでは、内容向上などの参考とするため、読者アンケートを行っております。ぜひとも感想をおきかせいただければと思っておりますので、以下のURLより回答をよろしくお願いいたします。所要時間は1~2分程度です。

https://docs.google.com/forms/d/1oyWzQmlP1xmSZ_x4uGCZjOHnx29GuFG_OD3jAr0fzA0

このコラムで紹介した楽曲のプレイリストを用意しました。LINE MUSICで聴くことができます。以下のURLからアクセスしてください。次回以降の紹介曲についても順次公開していきますのでよろしくお願いします。

https://music.line.me/webapp/playlist/upi7nLrdtfvhxjzl_GXu9zYQaUd_BLXPXHlL?myAlbumIf=true

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村尾 佳祐

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