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コラム

【THE・今夜も音楽三昧】#27「のむ!音楽」

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皆様こんばんは。今週も「THE・今夜も音楽三昧」のお時間です。

今週でテストが全て終わり、晴れて夏休みだ!!という方も多いかと思います。かくいう私もその一人。今年の夏はパンデミックもそうですが気温が異常ですよね。そこのところは気を付けてお互い過ごせればと思います。

さて、そんな酷暑対策の第一歩と言えば、水分補給ですよね。そこで今回は、歌詞に「飲み物」が出てくる音楽のお話をしようと思います。

それでは早速参りましょう。今晩も最後までお付き合いくださいね。

珈琲:脈絡と歌い継がれる国際派の味

昔アラブの偉いお坊さんが 恋を忘れたあわれな男に

しびれるような香りいっぱいの こはく色した飲み物を教えてあげました

「コーヒー・ルンバ」(1992年、作詞:中沢清二、歌唱:YO-KO)

突然ですが、皆さんは高速のサービスエリアで紙コップ入りの自販機を見たことはありますか? その自動販売機の多くで流れている、妙にリズムが小気味いい楽曲。タイトルは「コーヒー・ルンバ」といいます。

この曲の歴史はあまりに古く、1958年にウーゴ・ブランコが最初の「コーヒー・ルンバ」を発表してから実に60年以上にわたって連綿とさまざまな歌手が歌い継いでいるのです。日本でも1962年の西田佐和子バージョンを皮切りに、ザ・ピーナッツ、井上陽水、工藤静香など、数々の歌手がカバーを重ねました。その中から今回取り上げたのは、1992年の「YO-KOバージョン」。

このバージョンの何が凄いかというと、ルンバ色の強いアレンジが多かったこの曲を、大胆にダンスナンバーにアレンジしているところ。原曲やカバーに慣れている人にとっても新鮮味を以て味わえる仕上がりとなっているのです。MVも黒や金をイメージカラーとして取り入れた派手な仕上がりとなっており、作りこみがうかがえます。

ちなみに、歌唱者のYO-KOですが、別名義でも活躍し、様々なヒット曲を出しています。誰だかわかりますか?

ヒントは…井原六花が30年後に大ブレイクさせたあのディスコチューンです。

それは素敵な飲み物 コーヒー・モカマタリ

みんな陽気に飲んで踊ろう 愛のコーヒー・ルンバ 

「コーヒー・ルンバ」(1992年、作詞:中沢清二、歌唱:YO-KO)
近頃は夥しい種類の缶コーヒーが随所で手に入る。大学を出るまでにできるだけ多くの
缶コーヒーを味わってみたいというのが、ささやかな野望になっていたりして

お茶:時の過ぎ行くままに哀愁の味

君とよくこの店に来たものさ 訳もなくお茶を飲み話したよ

学生でにぎやかなこの店の片隅で聞いていたボブ・ディラン

「学生街の喫茶店」(1972年、作詞:山上路夫、歌唱:ガロ)

続いてご紹介するのは「学生街の喫茶店」。ちょうど50年前(!)に発表された楽曲です。タイトルの通り学生街にある喫茶店が舞台の曲で、語り手は30~40代でしょうか。喫茶店でお茶を飲みながら過ぎ去った学生時代に思いを馳せる内容となっています。

この曲が発売された1972年は、ちょうど学生闘争が下火になっていた時期と重なります。だからでしょうか、この歌で綴られる学生時代の記憶は必ずしも明るいだけではありませんし、曲調もどこか哀愁を漂わせます。青春時代という言葉だけでは美化できない、生々しさをも含有する学生時代の思い出、それがいっぱいのお茶に凝縮されているのです。

こんなことを書いている筆者も大学生。10何年して大学近くの喫茶店に入ったら、この歌のように哀愁じみたことを考えるんでしょうかね? …それはその時にならないとわかりませんが。

あの時の歌は聞こえない 人の姿も変わったよ 時は流れた…

あの頃は愛だとか知らないで サヨナラも言わないで別れたよ 君と…

「学生街の喫茶店」(1972年、作詞:山上路夫、歌唱:ガロ)
『粋』本誌内のページ「Store guide」では喫茶店も何件か取り扱っている。こちらの
「Cafe&Bar Drawing」もその一つ。筆者が一番最初に取材した店でもあり、思い入れが強い

ビール:地元愛、そして明日も…

烏が鳴くからもう日が暮れるね 焼き鳥頬張り ビール飲もうか?

「葛飾ラプソディ」(1997年、作詞・歌唱:堂島孝平)

筆者が小学生の頃、学校から帰ってくるとちょうどテレビで昔のアニメが再放送されていました(今もときどき放映している曲はあるようです)。結構ハチャメチャなギャグ展開も個人的には好きで妙にはまっていたのです。特にハマったアニメが2つあり、1つは「Dr.スランプ」。そしてもう1つが「こち亀」でした。

ここで取り上げるのは、その「こち亀」の主題歌として起用されていた堂島孝平の「葛飾ラプソディ」。Aメロとサビの繰り返しだけからなる単純明快な構造の一方、転調を2度行い盛り上げていく進行を取るなど随所に工夫があります。

特に印象深いのは歌詞。葛飾の実在する地名を取り上げつつ、ちょっとドジだけど心穏やかに暮らしている人物の絵が巧みに浮かび上がってきます。タイアップ先の主人公・両さんほどの破天荒さはないけれど、だからこそ聞いている人は自分の地元を投影して聞き入ることができるのです。

ビールは、この曲の最後のAメロに登場します。そして、最後のサビでは晩酌中と思しき視点人物からこんな言葉が飛び出すのです。

明日もこうして終わるんだね 葛飾・柴又 幸せだって

失くして気が付いた バカな俺だから

「葛飾ラプソディ」(1997年、作詞・歌唱:堂島孝平)

こういった、何気ない日常から不意に教訓めいたことが飛び出すのはこち亀の真骨頂。だからこそその教訓はどうしようもなく胸に残るのです。この歌詞は筆者の中でも特に印象深いフレーズの一つ。幼心に残るものがありました…

名古屋某所で見つけたドアラ印のレモンサワー。気になるのはやまやまだが、生憎下戸のため、
手が出せない…。C.C.レモンみたいなノンアルコールバージョン、作ってくれないものか…

おわりに

というわけで、今回は「歌詞中に飲み物が出てくる歌」をテーマにお送りしてまいりました。最後まで読んでいただいてありがとうございます。

ところで、今週は後輩スタッフも一人音楽について記事を書いてくれています。筆者とは全く違うアプローチで書いていて面白いので、そちらもよかったら是非。

それでは、また来週もお会いしましょう~。

作者よりお知らせ

当コラムでは、内容向上などの参考とするため、読者アンケートを行っております。ぜひとも感想をおきかせいただければと思っておりますので、以下のURLより回答をよろしくお願いいたします。所要時間は1~2分程度です。

https://docs.google.com/forms/d/1oyWzQmlP1xmSZ_x4uGCZjOHnx29GuFG_OD3jAr0fzA0

このコラムで紹介した楽曲のプレイリストを用意しました。LINE MUSICで聴くことができます。以下のURLからアクセスしてください。次回以降の紹介曲についても順次公開していきますのでよろしくお願いします。

https://music.line.me/webapp/playlist/upi7nLrdtfvhxjzl_GXu9zYQaUd_BLXPXHlL?myAlbumIf=true

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村尾 佳祐

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