名大・南山生のためのフリーペーパー『粋』 公式WEBサイト

No Widget

ウィジェットが設定されていません…

コラム

【THE・今夜も音楽三昧】#26「試験前 現実逃避 旅の夢」(Hill-side)

このエントリーをはてなブックマークに追加

皆様こんばんは。「THE・今夜も音楽三昧」のお時間です。今週もどうぞよろしくお願いいたします。

今回は前回に続き「旅の歌」をテーマにお送りしてまいります。前回が「Ocean-side」と題する海のお話でしたので、今回は「Hill-side」、山のお話です。それでは最後までお楽しみ下さい。

嗚呼、哀愁の信濃路

明日、私は旅に出ます あなたの知らない人と二人で

いつかあなたと行くはずだった春まだ浅い信濃路へ

「あずさ2号」(1977年、作詞:滝真知子、歌唱:狩人)

鉄道フォークの代表格として名高い「あずさ2号」。都会に住む女性が、現在の恋人に別れを告げ、新たな恋人と長野・信州へと旅立つにあたっての複雑な心境をテーマとした楽曲です。タイトルの「あずさ2号」は実在した特急の名前で、8時ちょうどに新宿駅を発車し、12時51分に長野県・白馬に到着していました。

サウンド面では、サビ前とサビでガラッと印象を変えていることが特徴的で、前者は声量を押さえて自己の内省を想起させる半面、後者は声域が一気に高まり、力強く旅立ちを決意したかのような構成、さらに大サビの直前には当時の歌謡曲では珍しく変調子まで取り入れられています。こうした心情面に特化したサウンドの使い分けは、都会を離れ山奥へ向かっていく旅情の哀愁・悲壮感・そしてその裏にある決意を、強固たるものにしているのです。

サヨナラはいつまで経ってもとても言えそうにありません

私にとってあなたは今も眩しい1つの青春なんです

8時ちょうどのあずさ2号で 私は 私はあなたから旅立ちます

「あずさ2号」(1977年、作詞:滝真知子、歌唱:狩人)
岐阜県は恵那峡を走る「きのこ列車」。都会の洗練された特急車両と、田舎を走る
古き良きワンマンカー。それぞれに魅力を漲らせ、今日も電車は目的地へとひた走る

せつなくて、足利

渡良瀬橋で見る夕陽をあなたはとても好きだったわ

「綺麗なとこで育ったね、ここに住みたい」と言った

「渡良瀬橋」(1993年、作詞・歌唱:森高千里)

次に紹介するのは「渡良瀬橋」。歌唱者は個性的な世界観の楽曲が数多い森高千里。彼女は熊本県出身で、熊本をテーマにした作品が数多くあるのですが、こちらは栃木県の足利市が舞台です。

同市を流れる渡良瀬川の景色を見ながら、地元に残ることを選んで想い人と別れた女性の心情をノスタルジックに歌った楽曲です。他の旅情ナンバーとは違い地元民の視点から描かれているものの、実在の地名を盛り込み、その地の思い出を語る形式は、旅情ナンバーに通ずるものがあります。

そもそも、渡良瀬の地を選んだのは、橋をテーマに歌を書こうと思っていた森高が「わたらせ」という音の響きに惹かれてのことだったといいます。そこから制作されたこの楽曲は「雨」と並ぶ森高バラードの代表格に上り詰め、2007年には歌碑が現地に置かれるまでになりました。

あなたが好きだといったこの街並みが今日も暮れてゆきます

広い空と遠くの山々 あなたが愛した街 夕陽がきれいな街…

「渡良瀬橋」(1993年、作詞・歌唱:森高千里)
この歌は最後に日暮れの描写があるが、どちらかというと淋しさよりも明日への希望というか、
そういった優しい感情が先に想起される。これも田舎特有の穏やかな世界観の故なのか

「田園」はどこからきているのか

最後に紹介する楽曲のタイトルは「田園」です。この名前から連想されるのはのどかな田舎の景色ですが、実際の歌はどちらかと言えば高揚感を煽るような、人生の応援歌です。

何もできないで 誰も救えないで 悲しみひとつも癒せないで

カッコつけてないで やれるもんだけで 毎日何かを頑張っていりゃ

生きていくんだ それでいいんだ

「田園」(1996年、作詞・歌唱:玉置浩二)

歌っているのは安全地帯のリーダーとして有名な玉置浩二。安全地帯時代からバラードの名曲が多いですがこういったハイテンポなナンバーもキラリと光るものがあります。しかし、詞を読み解くなかで「田園」の情景に突き当たるかと言われるとそうでもありません。では、「田園」とは何を意味しているのでしょうか?

どうやらこの「田園」とは、玉置の地元、北海道の農村をイメージした表現のようなのです。玉置本人が著書で語ったところによると、そもそもこの曲は、玉置が安全地帯の第1次活動期末期から抱いていた強烈な葛藤の末に生まれた楽曲だといいます。地元・北海道で静養し、ある程度その葛藤が落ち着いたころ、玉置は葛藤を通じて考えたことを一曲にぶつけました。それが「田園」だったのです。この歌が聞く者の心をがっちりつかみ激励する珠玉の応援歌たる所以は、実際に作者本人が人生に真摯に向き合って一つ一つの詞を紡いだことにあるのでしょう。

何もうばわないで 誰も傷つけないで 幸せひとつも守れないで

そんなに急がないで そんなにあせらないで 明日も何かを頑張っていりゃ

生きていくんだ それでいいんだ

波に巻き込まれ 風に飛ばされて それでもその目をつぶらないで

僕がいるんだ みんないるんだ みんなここにいる 愛はどこにも行かない

「田園」(1996年、作詞・歌唱:玉置浩二)
通学途中の車窓から田園が見えて、そこから建物が少しずつ増えていくのを見るのが好きだ。
大都会・名古屋が近づく高揚感。でも、田園風景ののどかさそのものにも惹かれる

おわりに

ということで、今回は海から離れた、山や田舎の景色が浮かぶような、そんな楽曲の紹介でした。のどかな街並みを求めて旅をするのも、それはそれでオツなものだと思いませんか?

それでは、また来週お会いしましょう~。

そして、私含め、来週テストの方々、気合入れていきましょう!!

作者よりお知らせ

当コラムでは、内容向上などの参考とするため、読者アンケートを行っております。ぜひとも感想をおきかせいただければと思っておりますので、以下のURLより回答をよろしくお願いいたします。所要時間は1~2分程度です。

https://docs.google.com/forms/d/1oyWzQmlP1xmSZ_x4uGCZjOHnx29GuFG_OD3jAr0fzA0

このコラムで紹介した楽曲のプレイリストを用意しました。LINE MUSICで聴くことができます。以下のURLからアクセスしてください。次回以降の紹介曲についても順次公開していきますのでよろしくお願いします。

https://music.line.me/webapp/playlist/upi7nLrdtfvhxjzl_GXu9zYQaUd_BLXPXHlL?myAlbumIf=true

このエントリーをはてなブックマークに追加
村尾 佳祐

© 2013-2022 学生団体『粋』