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コラム

【THE・今夜も音楽三昧】#14「潔く力強く 勝利の瞬間まで」

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皆様こんばんは。「THE・今夜も音楽三昧」の時間がやってまいりました。今週もよろしくお願いします。

さて、本日3月25日はプロ野球の開幕日です。セントラル・パシフィック両リーグで6試合が予定されています。愛知が誇る好投堅守の紺碧球団・中日ドラゴンズは橙の盟主・読売ジャイアンツと東京ドームで激突します。他にも昨年最下位からのリーグ制覇を達成したヤクルトとオリックス、中日と同じく指揮官が交代した日本ハムにソフトバンクと、注目チームが例年に増して多いシーズン開幕となります。

そこで、今週の「音楽三昧」は「プロ野球」をテーマにお送りしていきます。今回も最後までお付き合いくださいね。

バッティングテーマに選ばれた2曲

さて、プロ野球では全チームに応援団が存在し、鳴り物を使った応援をスタンドで行ってきました。パンデミック下で鳴り物が禁止されて以降も球場のスピーカーを使うなど工夫を凝らして応援が行われています。そして、各チームで一定以上の出場機会を確保した選手には専用の応援歌、いわゆる「バッティングテーマ」が割り当てられます。多くのバッティングテーマは応援団が作曲したオリジナル楽曲なのですが、たまに「原曲」のあるテーマも存在します。例えば…

星のかがやきよ ずっと僕らを照らして! 失くしたくない少年の日の夢よ…

いつかこの町が変わっていっても 君だけは変わらないでいて欲しい

「星のかがやきよ」(2005年、作詞:坂井泉水、歌唱:ZARD)

こちらはZARDの「星のかがやきよ」という歌。ZARDにとってこれがちょうど40枚目のシングルと、キャリアの中では比較的後期の楽曲で、アニメ「名探偵コナン」の主題歌に選ばれています。

この歌を原曲に持つバッティングテーマが採用されたのは千葉ロッテマリーンズ・藤岡裕大選手。攻守の堅実さが売りの選手で、昨季は主戦場の遊撃に加え三塁にも挑戦するなどプレーの幅を広げました。今季にも期待がかかります。

中学まではまともだった まともだったのに

散々無理してバカになった バカになったのに

「バカになったのに」(1989年、作詞:はる、歌唱:The ピーズ)

続いては、The ピーズの「バカになったのに」。「自堕落ばかりがもてすぎる」という感情を抱いた進学校の生徒の心情をテーマにした楽曲で、ロック色の強いサウンドが印象的なバラードです。のちにPlastic Treeというバンドがアップテンポにアレンジしてカバーしています。

この歌を原曲に持つバッティングテーマが採用されたのは東北楽天ゴールデンイーグルス・岡島豪郎選手。プロ入り後に捕手から外野手に転向した選手で、捕手時代に培った強肩を売りとします。ここ数年は調子を落としがちでしたが昨季は見事復調。今期も安定した活躍に期待したいところです。

ちなみに、原曲ありのバッティングのテーマはセ・リーグの球団では珍しく(20世紀中はもう少しあったようですが…)、ロッテと楽天が多い印象。この2球団は先述した2選手以外にもいくつかこの手のバッティングテーマがあります。

ナゴヤドーム前に存在する、ドラゴンズカラーのファミリーマート。もしかしたら、他のチームの
本拠地の近くにもこういうものがあるのだろうか? 行ったことなどないが…

土佐の荒波、背に受けて

プロ野球は毎年多くの選手が入団し、多くの選手が引退しますが、昨年引退した選手の中でも特にビッグネームであったのが松坂大輔選手。慢性的な故障と闘いながら複数球団を渡り歩き(中日にいたシーズンもあります)、最後はプロ入り後最初の球団でもある西武で引退を迎えました。そんな松坂選手と言えば、「松坂世代」の旗手としても極めて有名ですよね。現在も現役なのは和田毅選手(ソフトバンク)ただ一人ですが、投打問わず数々の逸材が集結した世代でした。

そんな「松坂世代」の中でも屈指のリリーバーとして知られ、通算245セーブを記録したのが、阪神やMLBで息長く活躍した藤川球児選手。独特の軌道を描く直球は「火の玉ストレート」と呼ばれ、多くの強打者を三振に仕留めてきました。そんな藤川選手を象徴するのが、この歌。

震えるつま先 高なる鼓動 何度も何度も胸に手をあててみた

見えないハードルにつまづいた時 あなたの気持ちが少しでもわかりたくて

スタジアムに響き渡る歓声を吸いこんで あなたはゆっくり立ちあがる

「Every little thing,Every precious thing」(1996年、作詞:渡瀬マキ、歌唱:LINDBERG)

LINDBERGが1996年に発表した「Every little thing Every precious thing」。ある陸上選手に捧げるために書き下ろされた作品で、ゆったりとした曲調と語りかけるような歌詞が際立つバラードです。

この歌を、藤川選手は試合に登板する度にスタジアムで流れる「登場曲」として使っていました。この歌が奥様の愛聴曲だったそうで、「観客やファンにどうしたら自分を表現できるか?」と熟考した末の選曲だったようです。

その後、藤川選手は阪神を代表するクローザーに成り上がり、この歌は阪神タイガースのファンにとって象徴的な作品となりました。2020年に藤川選手が引退を決意した際にはこの歌のMVの再生回数が急上昇する現象も起こり、引退試合にはLINDBERGのメンバーも試合に訪れています。

平日は大半がナイターゲームだからか、夜空がテーマのバッティングテーマもちらほら。
「夜空に羽ばたいた未来の三冠王」とか、「振り抜くバットで燃えて流星になれ」とか

歓喜の瞬間へ! 犬鷲が飛ぶ

もう1つ、登場曲に関するお話をしましょう。

昨年、東北楽天ゴールデンイーグルスのファンを熱狂させるニュースがありました。メジャーリーグの名門・ヤンキースで獅子奮迅の活躍を見せた神の子・田中将大選手の帰還です。

2005年にパ・リーグに参入した楽天。当初は大量失点での敗戦も多く、弱小チームと呼ばれた時期もありました(ロッテに完封試合での最多得点「26」を叩き出されて負けた試合もありました)。それでもめきめきと力をつけていき、参入5年目の2009年には初のAクラスに到達します。「日本一」という大いなる目標が手に届く位置まで上り詰めた楽天。頂点に向けた果てなき情熱は、2011年に球団のお膝元・東北を襲った大震災を経て更に強固なものとなっていきました。そして2013年、楽天は創設9年目で初のリーグ優勝を果たすと、日本シリーズに進み、とうとう日本一を達成しました。

その中で、田中選手はまさに無双状態でした。なんとシーズン通算24勝無敗という現代野球で今後みられるかどうかもわからないほどの大記録を達成したのです。そんな田中選手を象徴する楽曲があります。

あの日もこんな夏だった 砂まじりの風が吹いてた

グランドの真上の空 夕日がまぶしくて

どこまで頑張ればいいんだ? ぎゅっと唇を噛みしめた

そんな時 同じ目をした 君に出会ったんだ

「あとひとつ」(2010年、作詞・歌唱: FUNKY MONKEY BABYS )

2010年夏の全国高校野球選手権大会の応援ソングだった「あとひとつ」。田中選手がPVに参加したことに加え、震災直後の2011年シーズンに登場曲に使っていたこともあり、一種、東北復興を象徴する楽曲の一つにもなっていました。

その後2シーズンは別の楽曲を登場曲に使っていた田中選手でしたが、2013年、勝利すればリーグ制覇が決まる試合でドラマが待っていました。対戦相手は所沢の山賊・西武。試合は点の取り合いとなり、8回終了時点で1点リード。あと1イニング押さえれば優勝!! この場面でコールされたのは…なんと田中選手でした。しかも流れたのはいつもの登場曲ではなく「あとひとつ」。そして「あとひとつ」の大合唱が流れる中、田中選手は1イニングを無失点に抑え、この瞬間、東北の夢が成就したのでした。

その後、あと1勝で日本一が決まる大一番でも田中選手は9回に登場し、「あとひとつ」の大合唱の中で3アウトを獲得、日本一を決定づけ、胴上げ投手となりました。東北の人々にとって「あとひとつ」は希望に満ち溢れた歌となっているのです。

そう 簡単じゃないからこそ夢はこんなに輝くんだと

そう あの日の君の言葉 今でも胸に抱きしめてるよ

あと一粒の涙で ひと言の勇気で 願いがかなう その時が来るって

僕は信じてるから 君もあきらめないでいて 何度でも この両手を あの空へ

「あとひとつ」(2010年、作詞・歌唱: FUNKY MONKEY BABYS )
もちろん、青空を想起させるバッティングテーマも多い。打球が空を舞うスポーツだからだろう。
「天空の彼方に舞う球は」とか「大空へと願い込めて その翼広げ」とか

おわりに

というわけで、今回はプロ野球とかかわりのある歌に関するお話でした。

最近は動画配信サービスの普及などによってさまざまな球団の情報や各試合の盛り上がったポイントなどを簡単にみられる時代になりましたよね(特にパの6球団)。そんな時代だからこそ、自分の贔屓球団以外の動向も楽しみながらこれからの半年は楽しみたいものですね。毎晩試合結果に一喜一憂するのも、それはそれで悪くはないですよね。

それでは、今週も最後までお付き合いいただきありがとうございました。また来週もこの時間に…と言いたいところなのですが、来週は少し特殊編成を予定しておりまして、このコラムはいつもの金曜日ではなく、土曜日(2日)に公開としたいと考えています。ですので、来週土曜日にお会いしましょう~。

作者よりお知らせ

当コラムでは、内容向上などの参考とするため、読者アンケートを行っております。ぜひとも感想をおきかせいただければと思っておりますので、以下のURLより回答をよろしくお願いいたします。所要時間は1~2分程度です。

https://docs.google.com/forms/d/1oyWzQmlP1xmSZ_x4uGCZjOHnx29GuFG_OD3jAr0fzA0

このコラムで紹介した楽曲のプレイリストを用意しました。LINE MUSICで聴くことができます。以下のURLからアクセスしてください。次回以降の紹介曲についても順次公開していきますのでよろしくお願いします。

https://music.line.me/webapp/playlist/upi7nLrdtfvhxjzl_GXu9zYQaUd_BLXPXHlL?myAlbumIf=true

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村尾 佳祐

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