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コラム

【THE・今夜も音楽三昧】#6「NAGOYAMESHI Feat. SHONAN SOUND TASTE」

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皆様こんにちは。今週も「THE・今夜も音楽三昧」の時間がやってまいりました。今週もよろしくお願いします。

今回のテーマですが、「とある名古屋めし」を軸に進めていこうと思います。若干の飯テロ要素があるかもしれません。

君は「麺屋はなび」を知っているか?

この名前を聞いただけで今回のテーマが何となくわかった方もそこそこいるかもしれませんね。この「麺屋はなび」というのは、比較的最近(2008年といわれている)登場した名古屋めしの一角・台湾まぜそばの発祥店舗です。誕生からわずか5年後には「新・名古屋めしグランプリ」で準グランプリを達成(ちなみにグランプリは「味噌からあげ」)するなど、瞬く間に人気グルメへとのし上がっています。

本店は高畑(地下鉄東山線の起点駅としてもおなじみですね)にあり、日本36店舗、韓国2店舗、
マレーシアとアメリカに1店舗ずつ、計40店舗が世界各地で営業中(写真は緑店)

そんな「はなび」には筆者もハマっており、何軒か行ったことがあるのですが、店内のBGMに共通点があるのです。どうやらある国民的バンドを推しているようで、どの店に行ってもそのバンドの曲が流れているのです。何だと思いますか?

ヒント:麵屋はなびの運営団体は「新山オールスターズ」という企業です。

このヒントと今回のタイトルの「SHONAN」の文字で皆さんご察しかと思いますが、正解はサザンオールスターズ。ご存じ、湘南サウンドを代表するビッグバンドです。そんなサザンサウンドが、どの店舗に行っても流れているのです(公式サイトの記述を読む限り、狙って流しているらしい…) 。

今回は、そんな湘南サウンドと台湾まぜそばに関するお話です。

2月:SAUDAGE~真冬の蜃気楼~

数日間に及ぶ格闘の末最後のレポートが書き終わり、先ほど提出を確認したとメールが届いた。正しく冬休みに突入だ!…ということで、自分へのご褒美を兼ねて、「はなび」の列に並ぶことに。

「はなび」は超人気店。ラッシュアワーにカチ合うと10分単位で待つこともありうる。そのため、いかにズラすかがカギとなる。この日は…失敗した。外に並んでる客が数組いる。

仕方がないので大人しく待つが、ふと頭の中に自信のなかったテストのことがよぎる。あそこ全然書けなかったな~とか、そんなことがよぎる。今更どうしようもないのに。その時、壁越しに聞こえた店内のBGMはこの曲。

人はどうしてどうして絶え間なく 今来た旅路を振りむくものだろう?

「SAUDAGE~真冬の蜃気楼~」(1998年、作詞:桑田佳祐、歌唱: サザンオールスターズ)

聞きながら、分からないな~と唸る。なんで過ぎたことが気になるんだろうね?考えれば考えるほどらちが明かない。

とりあえず、今夜は素直にまぜそばを味わうとするか…。

こちらが「元祖・台湾まぜそば」。中央に卵黄と台湾ミンチが乗っかり、その周囲には
ネギ・魚粉・ニンニク・刻みノリ・韮といった具材が並んでいる

5月:いなせなロコモーション

忘れたいことばっかりの春だから ひねもすサザンオールスターズ

…と、詠んだのは「サラダ記念日」でおなじみの歌人・俵万智である。別に忘れたいこともないが、ふと思い立ったので「はなび」に向かう。が、いかんせん決断が少し遅かった。ラッシュアワー直撃で今日も少し外で待たないといけなそうだ。

外の椅子に座って順番を待つ。ふと、読みかけの本の存在を思い出してナップザックから取り出す。重松清の「あの歌がきこえる」。3人の高校生たちの青春を当時を彩った音楽と共に綴った小説だ。実はその中に、はなびで流れている曲が1曲だけ登場する。それがこちら。

いなせなロコモーションなんていにしえの事

Rock’n Rollに さめやらぬGuys & Dolls

踊りたもれ コニー・フランシス・ナンバー

「いなせなロコモーション」(1980年、作詞:桑田佳祐、歌唱: サザンオールスターズ )

歌詞の内容はとにかく自由でハチャメチャ。随所に洋楽歌手や海外のヒット曲(タイトルの「ロコモーション」も1962年のヒットナンバー)の名前がちりばめられつつ、「後家サバイバー」やら「なんちゃったり」やら、造語と思しきフレーズが出るわ出るわ。アップテンポなことにも助けられてノリノリで楽しめてしまう曲のである。

ちょうど店内にこの曲が流れる頃、中に通された。CDはあったはずだから、帰宅したらスマホのプレイヤーに移動させようかな。

食べる直前に箸とレンゲを駆使してかき混ぜる。麺は茹で上がったタイミングで
棒を使って数回叩くことで糊気を出しタレと絡みやすくした極太サイズのものを使用

7月:君こそスターだ

そろそろ前期の期末課題が顔を揃える頃。気合を入れる意味を込めて、「はなび」に向かう。今日は…よかった、並んでいない。

7月というのは、前期期末試験のシーズンであると同時に、気温が上がってきて湘南サウンドが恋しくなってくる時期でもある。だからだろうか、「はなび」は夏こそ訪れたくなる魔力があるように思われる。いつかは夏の時期に湘南に行ってみたいな~と思いながら(冬なら行ったことがあるんだけどね)、まぜそばが出来るのを待っていると、この曲が流れてきた。

走り来る影は明日への追い風 永遠に見果てぬ夢

終わりなき夏の情熱の物語

惚れたよ 君が魅せたドラマに乾杯

「君こそスターだ」(2004年、作詞:桑田佳祐、歌唱: サザンオールスターズ )

元々2004年のアテネオリンピックのために書き下ろされただけあって(同時期にトヨタ自動車が展開したキャンペーンのメインテーマに起用)、歌詞には前向きなメッセージが並ぶ。サウンド面もポップス王道。当時のポップスに近しいサウンドに仕上げつつ、軸となるロックな部分は残す。その絶妙なバランスがこの曲の強みだろう。

次の曲に切り替わるくらいのタイミングで、まぜそばが運ばれてきた。これから始まる単位争奪戦でスターになってみせる。そう思いながら、麵を混ぜるレンゲに力を込めた。

途中で「味変」を施しながら食べていくのもポイント。最もよく使われるのは
「昆布酢」の回しがけで、「はなび」では卓上に昆布酢の瓶で完備されている

9月:湘南SEPTEMBER

1日、前期の成績の通達が来た。その結果…単位は1つも落としていなかった。安堵すると共に、「はなび」で脳を労うことにする。

猛暑が続く時期はスタミナ系の食事を身体が欲する。台湾まぜそばも例外ではない。台湾ミンチの辛味やニンニクのパンチは暑さと戦うときにはかなり効く。

この日はそこまで並ばずに席に座る。オーダーを済ませて席に着いたとき、この時期にぴったりなナンバーが流れ始めた。

時間を止めたように 色褪せたカレンダー

愛の刻印はもう帰らぬサマー・ホリデイ

今でもあなたの虜でいるのさ 甘くせつない 雨は子守唄

「湘南SEPTEMBER」(1998年、作詞:桑田佳祐、歌唱: サザンオールスターズ)

晩夏の情景を儚いロマンスに仮託した曲で、先の「君こそスターだ」や「いなせなロコモーション」が元気なサウンドを重視しているのに対して、しっとりとした切なさが強調されたサウンドが魅力的だ。そんな曲に耳を傾けながら、夏休みもあと1か月か、何をしようかと思索する時間の贅沢さときたら…

そうこうしているうちにまぜそばが届いた。まあ、今月の予定は帰宅してからゆっくり考えるとして、今は目の前の食事に舌鼓を打つとしよう。

食べ進めていくと、大抵は丼の底にタレが残る。そこに白米を
投入してタレと共に味わう「追い飯」で締めるのが台湾まぜそばの嗜み方

12月:CHRISTMAS TIME FOREVER

そろそろ今年もあとわずかという時期に差し掛かり、街を歩いていても正月飾りを玄関に出し始める建物が増え始めた。今年も何度もお世話になったし、年の瀬にもう一回食べるか。そんな動機で「はなび」に行こうと思い立つ。

年の瀬ということもあるのか、ラッシュアワーは回避したものの10分程度の待ち。心なしか複数人連れの客もほかの時期より多い気がする。彼らも自分と同じような理由で来たのだろうか?

何組かの客が入れ替わり、自分の順番が来た。店内で流れているのは、数日前に終わったクリスマスがテーマの、この曲。

凍れる波風が吹き寄せる だけども小船は 明日の海をゆく

I say Merry Christmas to the world now stars shine forever

愛しい女性のために祈る 

「CHRISTMAS TIME FOREVER」 (1992年、作詞:桑田佳祐、歌唱: サザンオールスターズ)

このコラムの初回は去年のクリスマスイブに出していて、そこで「クリスマスソングと言えば明るい題材が多く、だからこそ意表を突いた曲が心に残りやすい」といった趣旨の話をしたが、この曲もその「意表を突いた曲」に該当する。どちらかというと物憂げでしっとりとしたサウンドが特徴的な、切ないほどに透き通った夜空が似合う曲だ。どことなく「LOVE and PEACE」的なメッセージ性も感じられる、奥深いナンバーなのだ。

おそらく今年最後の一杯になるであろう台湾まぜそばをすすりながら、来年もきっと自分はここの虜なんだろうな、と思いを馳せた。

高畑にある「麺屋はなび」の本店。ラーメン愛好家であれば一度は行っておきたい
台湾まぜそばの聖地だ。筆者も、先日初めてここを訪れることができた

おわりに

ということで、今回は「台湾まぜそば」と「湘南サウンド」をテーマにお送りしました。これまでの回とは割と違う感じのアプローチだったと思いますが、楽しんでいただければ幸いです。

このコラムでは、こういった変化球も随所に交えながら邦楽に関する様々なお話をしていこうかな、と思っています。まあ、筆者の気分次第ですかね。

ではでは、今週はこの辺で。来週もこの時間にお会いしましょう~。

作者よりお知らせ

当コラムでは、内容向上などの参考とするため、読者アンケートを行っております。ぜひとも感想をおきかせいただければと思っておりますので、以下のURLより回答をよろしくお願いいたします。所要時間は1~2分程度です。

https://docs.google.com/forms/d/1oyWzQmlP1xmSZ_x4uGCZjOHnx29GuFG_OD3jAr0fzA0

このコラムで紹介した楽曲のプレイリストを用意しました。LINE MUSICで聴くことができます。以下のURLからアクセスしてください。次回以降の紹介曲についても順次公開していきますのでよろしくお願いします。

https://music.line.me/webapp/playlist/upi7nLrdtfvhxjzl_GXu9zYQaUd_BLXPXHlL?myAlbumIf=true

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村尾 佳祐

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